Entry: main  << >>

恋愛0キロメートル 音楽まわりのこと1(長文、しかも若干ネタバレあり?注意!)

ASa Projectさんの『恋愛0キロメートル』が発売になりましたね。プレイしていただいたみなさんありがとうございますm(_ _)m
珍しく時間もあるんで今回の制作のことをちょっと書いてみたいと思います。
もしかしたらネタバレになってしまうかもしれないので、未プレイの方は読まないほうがいいかと思います!
ASa Project 『恋愛0キロメートル』 応援バナー企画


今回、恋0がこれまでに関わってきた作品と一番違っていたのは"季節"でした。過去、僕がお手伝いさせていただいたゲーム音楽では、そのほとんどが春〜夏のシーズンが中心だったのですが、恋0は晩秋〜冬というまったく反対の季節。それだけに歌・BGMとも、これまでとは違うアプローチを考えなければいけないという課題がありました。

その答えとして僕が出した結論は"ピアノ"。大半の楽曲にいろんな表現ができて応用の利くピアノをあてました。YAMAHA motifのピアノを中心に時々EastwestのGoliathを使ってみたりと音色自体はそれほど多くないのですが、全体通してがっつりとだったり、あるいはポイントポイントで使ってみたりと、いろんなところに出てきています。しかし「もっとピアノ弾けるようになりたい」と今回ほど思ったのはほかにありませんでした(苦笑。


■主題歌『恋愛0キロメートル』
歌:榊原ゆい、作詞:rian、作曲:rian,山下航生、編曲:山下航生

上でピアノだなんだと話をしながらも、主題歌はいきなりピアノ使ってません!なんだそれ!主題歌ってことでアサプロさんから「明るく可愛く元気よく!そしてガールズロックで!」という指示とともにrianさんからmidiデータが送られてきました。データもらったときから前回の「マル秘☆恋愛法則」とは違った形のガールズロックのアレンジをしたいと思っていて、あれこれ考えて最終的にスラッシュビートで最後まで突っ走るというやけに元気のいい曲になりました。といいつつテンポは微妙に変わっていて、それこそBPMで4とか0.5とか...Aメロ、Bメロ、サビというセクションごとに動いているだけじゃなくて、サビ前の「ねぇ」っていう2拍のタメのところだけでちょっと遅くなったりしていたりもして。なもんでショートバージョンを作るのがほんと大変でした(主にプロジェクト管理が)(←音屋さんはこの大変さわかってくれると思う!)。

歌は榊原ゆいさん。自分がこの業界で仕事する前からお名前は知っていた方だったので、ご一緒できてものすごくうれしかったり。恐縮しすぎで収録のときはほとんどお話もできませんでしたが!!俺の小心者!


■挿入歌1『Girl's song』
歌:茶太、作詞・作曲:rian、編曲:山下航生

この手のタイプの曲はアサプロさんだとだいたいエンディングに持ってくるんですが、今回は挿入歌になりましたね。個別ルートに入ってからのシーンで流れます。

確かSpctrasonics Omnisphereを初めて使った曲だったと思います。ぽこぽこ鳴っているシーケンス音とかその他2〜3音色使ったんじゃないかと。Spectrasonics Trillianとインターフェイスがほとんど同じなので使いやすかったけれど、プリセット数が半端ないくらいあるので起動⇒音探し⇒調整だけで軽く1時間とか過ぎてしまうこともあったりしました。Omnisphereはザ・ワールドが使えるみたいです。怖えぇ!

アレンジ自体はそんなに時間がかからなかったような気がします。「いつもの感じで( ´ー`)ノ」と言われたのでメロディに合うようにふんふんと進めてました。歌は茶太さん。こちらも初めましての方。この歌の後半には茶太さんに"らーらーらー"とコーラスをお願いしています。「普通に歌ってください!」という指示と「幼ない声で歌ってください!」というリクエストにばっちり応えていただきました。タイトルのとおり女の子たちの歌なので、たくさんの人たちで歌ってる感じが欲しくて5トラックくらい重ねてます。いろんな声使ってもらったんでぜひ聴き分にチャレンジしてみてください(←。このほかにもrianさんに歌ってもらった仮歌も良かったんで混ぜてたり、あと僕もこっそりコーラス参加してます。Girlじゃないじゃん!っていうツッコミは受け付けません(-_-;)


■挿入歌2『君と僕』
歌:花たん、作詞・作曲:rian、編曲:山下航生

ゲーム中ではとあるヒロインの個別ルートに入ると流れてきます。タイトルと歌詞の内容からお察しくださいw

「バラードを1曲...」ってリクエストがあり、切ない系のバラードを1曲仕上げました。これ、デモの段階からものすごい悩んで悩んで...難産の子でした。アレンジはメロディにコードを付けていくところからスタートするのですが、まずメジャーキーにするかマイナーキーにするかという問題でひとつ、そして曲全体の印象をどこまで切なくするかというもうひとつの課題。rianさんからのメロディをもらってからというもの、1週間くらいずっと悩み続けてました。ようやくようやく「これでどうだろう?」とようやくデモをあげたんですが、マイナー調の重い感じはいまいちゲームに合わないっつかなんか違うよねってことでリテイク。作り手が悩んでいる曲は聴き手にも伝わってしまいます。

このパターンも個人的には嫌いじゃなかったのだけれど、ゲームに合わないんじゃ意味がないので、何度も何度も練って練ってようやく今の形になりました。アレンジも苦労したけれどギターも苦労しました。バッキングギターだけで5パターンくらい弾いてた気がする。その分ギターソロはパッと出てきて時間はかかりませんでしたが。

歌は花たん。アチ恋に続いてご一緒させていただきました。その声量にビビりつつ(事実、収録エンジニアのチュアブルソフトはづきさんも「これはすげぇ!」とビビってた/笑)、録り自体は何の問題もなく終了しました。歌録りの後に、花たん交えスタッフ全員で話していたのですが、歌や歌を仕事にすることがどういうことなのか?をしっかり考えていらっしゃるとても意識の高い方だなあと再認識。こちらもとても勉強になりました。


■エンディング曲『Re-start!!』
歌:anporin、作詞・作曲:rian、編曲:山下航生

「もう一度始めよう!」というとても前向きでまぶしいテーマの歌詞でしたので、曲もそれに合わせて作ってみました。ゲームのなかではスタッフロールと一緒に流れます。アレンジはメロディをもらった時にパッと思いつきました。早かった。イントロはストリングスの駆け上がりにして、3月くらいのあったかくなってきた春の日差しをイメージしたラインにしよう...とか考えてました。あと去年買ったOvation Celebrityを絶対使ってやろうという企みもあったり...。

音の大半はYAMAHA motifで組みました。YAMAHA motifってもう10年以上前の音源なんですが、いまだに僕の中ではアレンジの中核にいて、何がなくともとりあえずmotifに手を伸ばしてます。こいつがなくなったら本気で困る1台です。最近発売された上位機種はもっと音も使い勝手もいいんだろうけど、使い慣れた無印motifからまだ切り替えられません。

この曲のメロディはrian節が炸裂しております。彼女のメロディはちょっと独特で、パッと聞くと普通なのですが、どこかに「おや?」とひっかかるところがあって(メロディラインとかリズムとか)でもそれがクセになっていくという。この曲でも聴く分には普通に"聴こえる"のですが、今回も歌ってくれたanporinは「思いのほか難しい、ぐぬぬ...」と苦戦してました。コードとメロディラインとハモリのラインが微妙にぶつかったりぶつかっていなかったりで歌う側は難しかったのかもしれないです。歌4曲の中では一番聴きやすいようで、実は一番クセの強い曲なのかもしれません。


ってことで歌モノはここまで。
次はBGMについて。

この記事に対するコメント

コメントする